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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

短い文章を積み重ねることで

昨日は、たまたま没後50年だった小津安二郎について語りつつ、いつの間にか文体の話に戻っていた(わざとだよ)。

その流れを受けて、今日は文章の長さについて考えてみる。

 

小津安二郎の映画的文体として真っ先に思い浮かぶのは、比較的短い固定ショットを積み重ねていくスタイルである。また、一つ一つのショットが極めて安定的で端正な構図を保っていることもよく指摘される。構図へのこだわりは、役者の所作から小道具の位置に至るまで偏執狂的としか言いようのないレベルであったようだ。

http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/17670885.html

 

さて、このブログがテーマとしている中小企業診断士二次試験は、80分という制限時間内で、各事例5~6個の設問(ひとつひとつの制限文字数は100文字前後)に解答することが要求されており、このような制約の中では、一つ一つの文章に偏執狂的なまでのこだわりを持つことは難しい。

しかしながら、時間的な制約が伴うからこそ、文体についてあらかじめ吟味された自分なりの「型」を持って臨むことの重要性を説く声は少なくない。

なかでも、「読みやすい文章はワンセンテンス40字前後」とする意見が多いようなので、平成25年度・事例1をサンプルに各受験校の模範解答を比較してみた。

 

今回の事例1には5つの設問があり、制限文字数は80字か100字のいずれかであったが、各受験校とも(一校を除いて)見事なまでに、複数センテンスor箇条書きの活用による構造化を行っている。

80字であれば、かろうじてワンセンテンス(+箇条書きなし)で記述している例はあったが、100字については細かな手法こそ違えど、何らかのかたちで分割された文章となっているのがわかる。

 

この調査で、唯一と言ってよい例外が最大手TACの模範解答である。

6箇所の設問のうち、2センテンスに分割して記述していたのは、わずか1問のみ。後は、すべてをワンセンテンスに収めてしまう徹底ぶりだった。

もっとも、事例3に見られた100文字超の制限文字数に対しては、さすがに息切れするのか、複数センテンスでの解答となっているのが確認できた。

 

こうしてみると、80~100文字程度という制限文字数は、ぎりぎりワンセンテンスで記述できそうな境界線と言えそうだが、模範解答を読み比べてみると、やはり40文字程度でいったん区切りを入れたほうが、「安定的で端正な」文章となるように思う。

 

単純にキーワードが含まれているか否かで判断しているのであれば、文章の長さは採点に影響しないだろうが、「わかりやすさ」や「論理が破綻していないか」といった観点からも評価されているとすれば、短文の積み重ねのほうが得点も「安定」する可能性が高い。

 

試験の採点基準は知りようもないが、中小企業の経営者への報告だと考えると、やはり分かりやすいに越したことはないよなぁ・・・と思った次第である。

 

このへんも踏まえて、来年に向けた自分のフォームを作っていきたい。