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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

失敗の原因は内側に求める

少し前に、事例3の第3問で失敗要因を答える際に私が犯したミスについて、詳細は後述する旨の予告を行っていたが、それっきりになっていた。

 

この問題については、まだキチンと分析ができていないのだが、一つの方向性として、「失敗の原因は内側に求める」というスタンスが必要なのではないかと考えている。

 

この問題で私は、失敗要因を「C社の強みと新規事業として進出したOAフロア市場の顧客ニーズのミスマッチ」であるといった趣旨の解答を作成した。そして、先述の通り、失敗要因を単に裏返して「今後はミスマッチを避ける」ことが新規事業成功に向けた留意点だと述べてしまった。

おそらく、間違ったことは言っていないと思う。ただ、「だからどうするの?」ということについて一切触れていないので、傍観者然とした解答になってしまっており、踏み込みが浅いどころの話ではなく、コンサルタントとして致命的な問題があると判断されたのだろう。

実際のコンサルティングであれば、(少しいらっとしながらかもしれないが)「だからどうすればいいの?」と社長が問いかけてくれるかもしれないし、その場合には、それなりの具体的な提案ができるだけの能力は持っているつもりもある。

だが、試験では解答欄の記述がすべてだし、実務においても、質問などしてくれずに「わかってない奴だな」と相手にされなくなることだってあるだろう。

 

試験としての反省点は、失敗要因はC社がやるべきこと(市場ニーズの把握)を怠ったという不作為にあるわけだから、

 

「要因は~(という不作為)である。留意点は、~(という作為)である。」

 

という解答骨子となるべきところ、これらの不作為作為は、その性質上、与件文からまるまる抜き書きすることが難しく、140字という文字数を前にして「マス目を埋める」ことを優先した結果、

 

「~という強みがあるのに、顧客ニーズは~だった」

 

という書き方で、強みとニーズを与件抜き出しによりダラダラと引き伸ばして記述しているうちに、いつの間にかマス目が埋まったので、よしとしてしまったことである。

 

この問題に限らず、「やるべきことができていない」ことに何らかの問題がある場合、その「できていない」ことは与件文にはわざわざ書かれていないことが多いだろうから、逆方向に類推して、「~ができていないから~という状況が生じているんだ」という因果関係を導かないといけない。

これが成功した理由であれば、普通に考えて不作為ではなく何らかの作為が要因だろうし、この場合は、与件文に誇らしげに(?)書いてあるのを抜き出してくる作業となり、難易度はそれほど高くないはずだ。

実務においても、コンサルティング先の社長が、成功については雄弁に語るが、失敗については明言を避けるといったことは容易に想像できるし、その分、失敗要因の特定とその対策は難しいのかもしれない。

 

作為であろうと不作為であろうと、外部環境への適応がうまくいけば成功するし、まずければ失敗する。変化する外部環境に対して、自社がどのようなアクションを取るべきなのか?その意思決定の繰り返しが経営だとすれば、(とくに失敗の)原因は常に内部に求める姿勢が必要だろう。

 

事例3第3問では、失敗を乗り越える「姿勢」を見せることができず大きく点を失ったと思われるが、次は、今年度の試験で同様に「失敗」要因を問われた事例1第4問について考えてみたい。