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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

CRM

平成25年度事例1の第1問設問1は、個人的には「CRM」がテーマだと思っている。

というか、それを念頭に出題しているようにしか見えない。

 

LECの解答解説集の表現を借りると、A社は「近視眼的経営」に陥りつつある状況である。ヒット商品の宣伝広告に経営リソースを集中投下したことで、少なくとも短期的には急激な成長を実現したわけだ。よって、A社が現在有している宣伝広告ノウハウは、主に新規顧客の獲得に有用なものと考えられる。

 

一方、設問要求は、既存顧客に既存商品をもっと買ってもらうための留意点であるから、「宣伝広告のさらなる活用」は少しおかしい気がする。

どうしても宣伝広告を使うならば、今までは新規顧客獲得向けの宣伝広告展開が中心だったが、今後はブランディング広告を中心にするetc.といったかたちになるだろう。ただ、同じ宣伝広告とは言っても求められるものが異なるし、解答としても少々苦しいのではないか?

 

ここは、顧客との継続的関係の構築を目的として、オペレーターとデータベースを活用していく(CRMそのもの)というのが出題趣旨であると思った。

 

この点に関連して、与件文中で気になった文章表現としては、「少しでも資金に余裕ができるようになると~様々な宣伝広告を積極的に活用して」という部分がある。言ってみれば、A社の宣伝広告へのこだわりは近視眼的な経営の象徴なのではないか?

 

「強み」を活用するのは経営戦略策定上の鉄則ではあるが、A社が成長フェーズの移行期に差しかかっていることを考えても、この問題では宣伝広告を直接的に解答に採用することは難しいと思った。解答に直接使用しないからといって、宣伝広告の強みに関する記述にまったく意味がないわけではないあたり、かなり捻った出題ということになるだろう。