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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

真の模範解答を探る(平成25年度事例1)

ここまで、発表された「出題の趣旨」に合致しているかという観点から、事例1~3までについて、各受験校の模範解答を検証してきた。

 

もっとも、「出題の趣旨」に合致しているからと言って、解答そのものに文句のつけどころがないというわけではない。採点基準がはっきりしない以上、後は再現答案とその評価を集めることで採点基準を推測していくことになるが、「ふぞろい~」の発売はまだ先のことである。

一方、平均点が低い事例については、出題者が用意した模範解答とはかなりズレた解答がいくつかあっても、「A」判定を取ることは可能だろうから、「ふぞろい~」を読んだからと言って模範解答がわかるとも限らない(そのような場合、模範解答を探る意味自体が薄れるとも言えるが・・・)。

 

というわけで、どうしても主観的な要素が強くなってしまうが、出題者が用意した「模範解答」は何だったのか?一番近くまで迫れたのはどこの受験校だったのか?以下に考えを述べることとする。

 

1-1

(模範解答の要素)データベースとオペレーターを活用すること

(ベスト of 模範解答)該当なし

(コメント)データベースについては、第4問で新商品開発との関連で有効活用が求められている。だが、本来は既存顧客との関係強化にこそ有効なのではないか?ということで、この設問の解答要素に加えるべきと考えた(←かなり少数派意見と思われる)。

 

1-2

(模範解答の要素)非正規と外注を有効活用すること

(ベストof模範解答)マンパワー

(コメント)正規と非正規の関係を中心に構成した解答が多いようだが、外注の有効活用は(正規・非正規あわせた)従業員規模を抑える効果があり、結果、正規社員数が抑えられる・・・ということで、この設問の解答要素に加えるべきと考えた。

 

2-1

(模範解答の要素)即戦力+顧客と年齢が近い

(ベストof模範解答)ほとんどの受験校でよくできている

(コメント)今回の事例1で一番答えやすかったと思しき設問。強いて言えば、A社の急成長が即戦力を必要としたという点が盛り込まれているとよいと思った。

 

2-2

(模範解答の要素)モチベーション維持目的+非経済的インセンティブの枠の中で、A社に即した提案

(ベストof模範解答)マンパワー

(コメント)多面的?に検討した結果、焦点がぼやけてしまっている解答が多いが、「出題の趣旨」で示された設問要求の範囲内で構成するべきと考えた。

 

3

(模範解答の要素)難しいところだが、基本的には、中長期的に見て「新商品開発」に結び付くことを期待しているのだと思われるため、その点を説得力あるかたちで示していることが必要

(ベストof模範解答)該当なし

(コメント)いくつかの受験校でかなりよいと思う内容があったが、ベストとまでは言えないと考えた。

 

4

(模範解答の要素)「データベースの設計」の問題と「活用するための人材不足」の双方を指摘していること

(ベストof模範解答)TBC、ユーキャン、LEC

(コメント)この設問こそ多面的に考えるべきだと思うのだが、意外と単面的な解答が多かった。この設問でかなり差がついている可能性がある。

 

あくまでも主観でしかないが、上記の結果からは、事例1に関しては「設問要求を正しく捉えてフォーカスを合わせること」+「一次知識を適切に利用すること」が重要という印象を受けた。