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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

真の模範解答を探る(平成25年度事例2) 補足

昨日の記事の補足として、個人的に考える模範解答の要素等についてまとめてみたい。

 

1

(模範解答の要素)「味」と「味以外」で複数の要因が挙げられていること。かまぼこについてもカバーした解答になっていること。

(ベストof模範解答)該当なし

(コメント)「出題の趣旨」に「複数の」要因と明示されているのが、大きなヒントとなる。80字程度であれば、一つの理由で書ききってしまうこともできてしまうが、やはりこのくらいの字数が用意された場合は、なるべく多面的に検討する必要があるということか。4Pの中から「Product」と「Place」とか、「さつまあげ」と「かまぼこ」といった切り口が考えられる。

売上の中心はさつまあげと明記してあり、かまぼこの商品力については情報が乏しいこともあって、さつまあげ中心で構成された解答が多かったが、例えば、「さつまあげ×商品力」「かまぼこ×販路」というかたちで整理するとB社の強みを網羅できたのではないかと思う。

 

2

(模範解答の要素)与件を余すことなく使い切っていること。とくに、パッケージ表面デザインを柔軟に変更していること。

(ベストof模範解答)TBC、ユーキャン

(コメント)アイデア問題的ではあるが、設問文に細かく書いてある情報を最大限活用することで、出題意図に近づくことができると思う。

シールを貼ることができるため、パッケージについては頻繁に変更する必要はない・・・と考えてしまいがちなところ、パッケージデザインも柔軟に(ex.毎月の食材ごとに)変更するのが模範解答に近いと考える。

 

3-1

(模範解答の要素)B社の伸び率とB社以外の伸び率を比較しつつ述べていること。

(ベストof模範解答)該当なし

(コメント)「競争構造の変化を踏まえつつ」という設問要求、PBはシェアに変化がなく、絵に描いたように競合からシェアを奪った図式になっていることから、直接的にシェア変動について述べている解答が多い。

それが正解のような気もしつつ、個人的には「まず絶対額が伸びていることが重要」「B社とB社以外の伸び率を比較することで、シェア変動は間接的に説明可能」という考えがあり、そのような観点から見たところ、ベストof模範解答は該当なしとなった。

 

3-2

(模範解答の要素)かまぼこ以外の水産練物まで効果が波及した点を数値の裏付けとともに述べていること。

(ベストof模範解答)該当なし

(コメント)かまぼこの伸び率>水産練物全体の伸び率となることから、水産練物全体の売上向上を牽引した趣旨の解答が多かった。

ただ、細かい理屈をこねるようだが、かまぼこ以外はまったく伸びてないのか、かまぼこ以外まで一緒に伸びたのかは指摘しておきたいと思い、その観点から見たところ、ベストof模範解答は該当なしとなった。

 

4-1

(模範解答の要素)収益構造変化を意識しつつ、「マーケティングにおける」対策に限定して述べていること。

(ベストof模範解答)TBC

(コメント)利益=売上-費用と分解して、「売上」と「費用」から「多面的に」述べている解答が多かったが、大げさな言い方をすれば、そのような解答方針は「出題の趣旨」によって打ち砕かれてしまった。

店頭販売と(ネット含む)通信販売の収益構造の本質的な違いに目を向けて、通信販売比率が無視できないほど大きくなった時にどのようなマーケティングアクションが必要となるか?といった観点から述べたのが模範解答だろう。

 

4-2

(模範解答の要素)観光客ターゲットを前提とした時に、B社のみならずX市にとって有効な施策であること。

(ベストof模範解答)マンパワー

(コメント)観光客ターゲットまでは容易にたどりつくが、Yスーパーと組んで実施した食育教室を観光客向けにも展開するというのは少々安易すぎると思われる。食育教室

は、日常の食生活を支えてくれるスーパーが地域住民を対象に行うから意味があるのではないだろうか?

 

4-1以外は解答の方向性が大きくずれそうな問題は少ないが、かと言って出題意図に肉薄することも難しい印象があり、細かな部分の積み重ねで差が付いた可能性がありそうだ。