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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

平成21年事例1第3問

着目すべき与件情報は明らかだが、解答記述は意外と難しい問題だと思う。

 

事例1は組織・人事事例だけあって、雇用区分(雇用形態)ごとの人員数等が丁寧に説明されている場合が多く、そこには何らかのヒントやメッセージが隠されていると考えられる。とくに「正社員」以外の雇用形態の従業員(外部協力会社等も含む)が多い場合、往々にしてその有効活用がテーマとなると言えるだろう。

 

平成21年の事例では、A社(F社買収前)はパート・アルバイトの構成比が約80%で買収直前のF社より高く、買収後、店舗の整理統合や人員整理を行っている(与件中の情報から、パート・アルバイトが多かったA社従業員から多数の整理対象者が発生したと推定できる)ことには誰でも着目するだろう。

「ふぞろい~」流では、この部分に着目できていれば、それだけで合格点が取れそうな採点基準となっている。

 

実際には、上記の事実に着目した上で、A社従業員に与えた心理的影響をどのように読み取って記述したか?がポイントのような気がするが、これは一筋縄ではいかず、時間や文字数に制限のある中で対応するとなるとなおさら困難だ。

 

私見では、「社長はA社・F社兼務であり、両社トータルでの経営体質強化を意図」→「A社従業員の多くが、経営状態の厳しいF社買収のとばっちりを受けた格好で人員整理される。削減規模からしても、優秀で意欲のある従業員まで対象になった可能性が高い。」→「従業員レベルで両社の融合が進んでいない中、A社従業員は経営者への不満・不信を募らせる結果に」といった流れがうまく表現できていれば模範解答だと思うが・・・

 

M&A後にありがちなリアルな事例で、「さすが本試験問題はレベルが高い!」と感心させられた。