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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

コトラーの製品特性分析

二次試験対策と言うと、どうしても「読み方」「書き方」といったあたりの、一次ではあまり問われなかった能力を伸ばすことに注力しがちだが、「(主に一次知識に基づく)二次で使える切り口」を意識することは案外重要だと思う。

 

なかでも事例1は、「組織・人事」の知識もさることながら、「経営戦略」の一次知識を前提とした出題が多い。

※H25だと例のアンゾフの成長戦略マトリックスが該当するだろう。

 

出題の前提となっていると思われる一次知識がなくても、与件等から類推して対応可能な場合もあるが、「知らない」ことがかなりハンディキャップになるのは否めない。H20事例1第2問における「コトラーの製品特性3層モデル」等はその典型ではないだろうか?

ちなみに、この切り口は、H22事例1第1問(設問2)でも繰り返し使われており、もしかすると出題者のお気に入りなのかもしれない。

 

この2事例、および一つ前の記事で取り上げた『経営をしっかり理解する』での記述から考察する限り、「基本的な機能だけで顧客を引き付けるのは困難である」という前提が出題の根底に流れているようだ。おそらく、H25事例1についても、競合する大手企業との差別化要因は、(商品開発も課題ではあるが)A社においては広告宣伝や顧客対応といった要素にこそ見出すべきという結論になるものと思われる。

 

試験当日の対応として、事例1は「組織・人事」という観点に固執するよりは、もう一つ上のレイヤーで、成長戦略・競争戦略について方向性を見誤らないことが最重要と考える。そして、出題者は案外「教科書そのままのような」戦略を想定していたりする。一見モヤモヤしてわかりにくい事例1だが、前提となっている一次知識・フレームを正確に想起できれば、すっきりとすることが多い(したがって、時間をかけて事例を読み込んだり、質の高い模範解答に触れたりすることで、一気に理解できる瞬間が訪れる可能性が高い)。

 

問題は当日の80分で出題意図が見抜けるかどうかであって、次善の策としての現場対応力も持ち合わせておくにこしたことはないが、対策の王道としては一次知識を意識した過去問分析が有効なのではないだろうか?