チラシの裏

中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

経営分析チラ裏メソッド(開発中)

定番のようでいて、ここのところ微妙に(いや大胆に?)出題形式を変えてきている「経営分析」について、メソッド(のようなもの)を用意しておきたいと思っている。

変化球が続いていることもあり、なるべく柔軟に運用できるメソッドにしたいと思っているのだが、試験まで一ヶ月を切った現時点でも開発中(試行錯誤中)である。とりあえず、自分用メモ(まさしくチラ裏)として、現時点での方向性を記しておく(※今のところ分析対象はH19~H25の7年間)

 

1.まずは、「同業他社比較」なのか「自社内での時系列比較(または絶対値評価)」なのかに着目する。前者の場合は経営指標重視、後者の場合はストーリー(与件文・設問構造)重視で対処する。

⇒同業他社比較の場合、基本的には、同業他社の経営指標をベンチマークとした分析が求められる。したがって、主要経営指標の比較から始めて、(長所・短所について)要因の分析・(短所を改善するための)対策の立案へと展開することで対処する。

一方、自社決算書しか与えられない場合は、ベンチマーク比で優劣を論じることはできないため、与件文中の外部環境・内部環境変化や会社の意思決定に着目し、それらと相関関係の強そうな経営指標を予想した上で計算に入り、仮説の検証を行う。

 

2.「同業他社比較」かつ「改善策が求められない(長所・短所の指摘とその要因分析までにとどまる)」場合は、「収益性」「効率性」「安全性」の各々について長所または短所を挙げるのがバランスよい結果となる可能性が高い。一方、「改善策が求められる」パターンについては、「安全性」は取り上げづらいので注意!

⇒基本的に「安全性」指標(典型的には自己資本比率)は、創業来の累積で長期的に形成されてきた特質を表しており、短期的に改善することは難しい(短期的な改善は、大規模な資金調達や資産リストラによることとなる)。今後、新パターンとして「安全性」を短期に改善する必要に迫られるような事例が出題される可能性はあるが、過去の出題実績的には、「改善策」が求められる場合は(たとえ指標を3つ挙げるよう指定されても)「収益性」「効率性」から3つを選択した方が適切な提案がしやすい。

 

3.「自社内の時系列比較」についても「安全性」は取り上げづらい(簡単には変化しない)。したがって、時系列比較により問題点(または改善点)を指摘したい場合、「収益性」「効率性」から指標選択する可能性が高い。ただし、「絶対値評価(または、時系列比較しても変化がない旨の指摘)」を行う場合は「安全性」指標も視野に入ってくる。

⇒既に見た通り、「安全性」指標は(一部の例外的なアクションを行った場合を除き)短期間では変化しづらいため、(前期・当期の二期間等の)時系列比較で改善・悪化を指摘する場合、「収益性」「効率性」に着目する方が適当な場合が多い。

 

具体的には、H20~H23が「同業他社比較」、H19、H24、H25が「自社内での時系列比較(または絶対値評価)」であり、H23では経営分析の設問内で直接的に「改善策」が問われている。

このことから、「チラ裏メソッド」的には、俗に言われている「収益性」「効率性」「安全性」から一つずつ挙げるのが王道というセオリーはH20~H22の3年間は有効だったかもしれないが、その他の年はそうとも限らない・・・という結果になる(H24で「安全性」を挙げないこと、H25で「安全性」しか挙げないことはもちろんだが、H19やH23でも「安全性」は挙げない方がよいのでは・・・と考えている)。

 

とりあえず、この方向性でもう少し検証を重ねてみたい。