チラシの裏

中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

経営分析チラ裏メソッド適用実験(平成15年事例4)

もう本試験まで3週間を切っているのに絶賛開発中(笑)の「経営分析チラ裏メソッド」を、過去の本試験に適用してみたい。

 


経営分析チラ裏メソッド(開発中) - チラシの裏

 

もっとも、H13は「利益率」「回転率」「安全性」から2つずつとあらかじめ指定があり、H14は総資本経常利益率の圧迫要因を3つの問題点に分解せよとの指定があるため、基本的にメソッドの出番はなく、最初の適用実験はH15とした。

 

まず、同業他社比較ではなく自社内の時系列比較(および絶対評価)による問題点を抽出するタイプであるため、与件文・設問構造を重視して指標を選定したい。

また、解決策もあわせて述べるタイプであるため、「安全性」は(短期的に解決することが難しいため)候補から外す。

与件文中に「減収減益が続き赤字転落した」ことが書かれているため、「効率性(回転率)」「収益性」ともに候補となり得る。

与件文中に固定資産の老朽化に起因する受注難をうかがわせる記述があり、第4問で設備投資の経済性計算が問われているため、「効率性」指標からは「有形固定資産回転率」が有力である。

収益性の低下につながる記述としては、「価格引き下げ」、「製品ごとの採算性の不明確さ」、「従業員の高齢化」などがあり、複数要因が考えられるが特定しづらい。営業利益段階で赤字化していること、第3問で営業利益ベースでのCVP分析が出題されていることから、「収益性」指標からは「売上高営業利益率」が(やや総花的ではあるが)無難か?

いずれの指標もH13より悪化していることは暗算ベースで確認できるくらい明白であり、後は指標を実際に計算して、問題点と解決策を述べることとなる。

 

なお、この問題では問題点2つを「緊急度の高い順に」指摘するという制約条件があるが、既に赤字転落していることと、金融機関の融資スタンスが厳しくなっていることをうかがわせる記述があるため、「収益性」(売上高営業利益率)を優先し、「効率性」(有形固定資産回転率)は二番目とした。赤字を計上している現状では、設備資金の追加調達すらままならない可能性もあり、優先順位はこれで問題ないだろう。

 

ちなみに、AASホームページ上で見ることができる再現答案集では大分解答がばらけている。

合格体験記・再現答案 AAS 中小企業診断士取得支援の専門機関

 

私と同じ解答は見当たらないが、私の解答もそんなに悪くないのでは?と思っており、何よりメソッドとして用意しておくことで、解答時間短縮効果が得られることが大きい。

 

なお、上記再現答案集で多数派である「売上高人件費比率」を私が選択しない(したくない)のは、いくら高齢化により人件費負担が重くなっているとは言え、人員整理により利益確保するというのは、この段階では採用しづらいと考えるからだ。強いて言えば、営業利益を何とか少しでもプラスにするために、役員報酬(この問題では、販管費の内訳項目としてわざわざ区分表示されている)をカットするくらいだろう。D社にとっては、まずは、営業利益をわずかでもプラスにした上で、第4問にあるように、資産リストラと新規借入で設備投資資金を確保し、売上回復を目指すシナリオを提案したいというのが私の考えだ。