チラシの裏

中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

模範解答比較(事例1)

現時点で、大原、TAC、マンパワー(模範解答ではなく構造化シート)の3校が模範解答を公開している。

 

事例1に関する私の所感は以下の通り。

 

第1問:さすがマンパワー

 模範解答ではなく構造化シートという形を取っているためでもあるが、ここはやはり「機会と脅威」の両面から分析したマンパワーに軍配。大原は脅威のみ、TACは両方触れているようでいて、文章からは「金が工面できるようになれば、そりゃそっち行くでしょ」と言ってるように読める。

 「脅威を機会に変えていきましょう。そのために国も支援しますよ」って言うのが、国が行う中小企業支援の基本スタンスだと思う。

 

第2問:今のところTACが一番いいかな?

 第1問とのつながりを意識すると、当時は外部環境が今とは異なったため下請け体質に甘んじていた(=研究開発型企業になれなかった)ことになる。この問題は、内部環境面から「下請け体質だと、どうして事業の柱が育たないのか」を記述すればよいだろう。

 製品ライフサイクルも短かったけど、A社経営の時間軸も短かった(がために中長期的な柱が育たなかった)というニュアンスが出てるTACの解答がよいと思う。

 このあたり、H25と通じるところがあり、事例1の基本論点と思われる。

 

第3問:これは正直わからない

 今回の与件文は時系列の読み取りが難しく、組織・人事に関する具体的記載も多いため、どの時点の課題について聞いていて、その課題への取り組みはどの程度進んでいるのか(あるいは、まったく進んでいないのか)わかりづらい。

 個人的には「開発と製造・生産の両立・連携」が正解ではないかと思って、試験中もその方向で記述したが、今のところそのような模範解答例は出ていない。その問題については、ある程度は解決している(=現時点での課題とは言えない)ということだろう(個人的には継続して意識し続けるべき課題だと思っている)。

 大原は「企画と営業」、TACは「資金調達・管理」、マンパワーは「機能別組織から事業部制組織へ」と方向はバラバラだが、正直この問題に関してはTACは論理的に無理がある(少なくとも解答からは真意が読み取れない)気がする。今後の模範解答に期待したい。

 

第4問:マンパワーなのか?

 一見、事例3かよ!と思わせる出題。事例3が苦手な分を他事例でカバーしようと思っているのにやめてほしい。

 妙に具体的な良品率設定等からすると、何らかの運営管理(あるいは企業経営理論)的な知識を背景にしているのかな?と思うが特定に至らず。

 大原、TACともに与件との直接的な紐付けに基づいた解答だが、そんな簡単なはずがない(笑)。実は大原と言っていることは近いのだが、マンパワーの構造化シートにかかると、この切れ味である!エッジが効きすぎてる感もあるが、たぶんこれが正解。もう少しふわっと書くと、「内製化と人材強化により、開発と製造・生産の連携が進んだ」みたいな感じか(これだと大幅改善のニュアンスが出にくいが)。私の第3問の解答と被ってるなあ。

 

第5問:今のところTACくらいのニュアンスがいいのでは?

 これはH17のITベンチャー事例をちょっと思い出す。ちょっと一般論寄りになってしまうが、この前まで大学院というある種特殊な環境に長くいた人たちだし、「管理施策」とは言っても、なるべく「ゆるい」感じのものがいいのでは?

 と思って、ゆるさには定評のある大原の解答を見たら、案外しっかり書いてある(笑)。マンパワーは予想通り?ガチガチ。TACの解答はふんわりとまとめてあって、具体性に欠ける点はあるものの、たまたま問題要求に「具体的」の指定がないこともあり、これでよいのでは?と思った。

 

今回、与件の情報量が多かったが、事例1の過去の傾向も考えると、情報を整理するような解答よりは、方向感を意識して一貫性のある解答にまとめたほうが響きやすいのかなと思った。

 

今回、個人的には一番よくできたはずの事例なので、模範解答読んでても辛くなることがあまりなかったが、事例2以降はちょっとやだな~。