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中小企業診断士受験生の備忘録 改め 中小企業診断士の自分用メモ

箇条書き

昨日に続いて文体について考えてみる。

 

受験校何校かの模範解答を比較すると、複数の文章(あるいは語句)を箇条書き番号(丸数字)で並べるスタイルの文章が多いことに気付く。

最大手のTACこそ事例4のラス問(具体的に「4つのコスト」を順に列挙することが求められている)でしか用いていないが、他の受験校はこぞって箇条書きスタイルを積極的に活用していると言ってよい。

マス目付きの解答欄で制限文字数を意識して記述する以上、厳密な意味での箇条書きとは異なったものとなるが、このようなスタイルが手っ取り早く文章を構造化してくれる効果に着目してのことだろう。

 

ただ、以下のリンクなどを読んでみると、箇条書きスタイルはむやみに使えばよいというものではなく、この形式による構造化が真に有効な場合に限定すべきとも思える。

http://www.yamanouchi-yri2.com/yrihp/tgb-02/tgb-02-02.htm

 

平成25年度の事例1を例にとると、2-2については「(賃金という典型的な衛生要因を外した解答が求められていることから)スコープをあらかじめ動機付け要因に限定した上で、具体的な施策を挙げていく」方向で構成されている解答には、箇条書きが適しているのではないか。

すなわち、

「オペレーターの動機付けのための施策を講じる。具体的には~(以下、箇条書き)」

とすれば、複数の施策を「動機付け要因」という共通項で括り出した上で、個別の内容について並列に述べていく、という明確な構造を持った解答となる。

一方、(中小企業白書を意識しているようだが)「ワークライフバランスは必須要素として盛り込みつつ、動機付け要因についても併記する」タイプの解答の場合、列挙した複数の施策が並列で扱うべき性質であるか、やや疑問が残る。

 

文章構造はともかくとして、同業他社より「給与は高く」「離職率は低い」とわざわざ断っている点からは、衛生要因はこれ以上求められていないとのニュアンスも感じられるため、白書知識をやや強引に?解答に持ち込むのはいかがなものかという気はする。

 

試験中に上記のような思考過程を経るほど余裕があったわけではないが、私個人は、動機付け要因について、与件と何らかの接点を持たせながら3種類ほど箇条書きスタイルで記述した。

もっとも、「Aを講じる。具体的にはB、C、Dが考えられる。」といったような構造化は行わなかったわけだが、今にして思えば、「共通項括り出し+個別内容列挙」スタイルの方が遥かに要領を得ているように感じられる。

 

箇条書きの有効活用に限らず、文体の引き出しを増やして、論理的構造とマッチしたスタイルが選択できるようになれば、試験合格にとどまらない財産になることだろう。

 

頑張るぞ!